自己破産とは?

「借金が多すぎて返済が追い付かない…!」
「借金が無ければ、生活は楽なのに…」

「自己破産」とは、今ある借金を全て0にする為の方法なので、借金額が多すぎて任意整理はもちろんの事、個人再生で借金を減額しても払いきれない、という場合に適しています。

自己破産の手続きを取る事で借金の返済義務はなくなりますが、実際には「あなたが持っている財産をまずは売って返済に充てて、それでも残ってしまった借金については免除します」という方法なのです。

一見財産を手放さなければいけないので損をしているように見えますが、逆に言えば手放す程の財産が無い場合は、状況にもよりますが債務整理の中でも一番得な方法になるかもしれません。

●自己破産ってどんな人の為の手続き?
自己破産は「借金額が大きく、返済の目途が全く立たない」という方の為の方法だと言えます。

例えば…

・返済しても全く借金が減っていかない
・任意整理、個人再生で金利や借金総額を減らしても返済の目途が立てられない
・今ある収入や経済状況において、今後借金返済の為に使えるお金の目途が全く立てられない

などといった、経済状況が切迫している方が該当します。

★自己破産はどう手続きを行うのか
自己破産を行う場合、おおまかな流れは以下の通りです。

①債権調査・申立書作成
⇒あなたの借金総額が現在どの位あるのかを調査し、裁判所に提出する為の申立書を作成していきます。

②破産手続き・免責許可申請申立て
⇒書類が揃ったら、裁判所に提出し手続きを行います。

③免責審尋、免責許可決定
⇒裁判所へ出頭し、審議の後に免責許可が下ります。

大体の流れはこのようになっていますが、自己破産には「同時廃止事件」と「少額管財事件」の2種類の申立てがあり、どの手続きになるかによって、流れも少し変わってきます。

★同時廃止事件と少額管財事件について
自己破産の手続きを行う際、財産を持っているか持っていないかで「同時廃止事件」となるか「少額管財・管財事件」となるかが決まります。

●同時廃止事件って何?
自己破産の「同時廃止事件」は、分かりやすく言うと「お金に換算する財産が無い、破産手続きの費用(予納金と言います)を支払うお金がない」時に該当する方法です。

実は自己破産の手続きをする際にまとまったお金=予納金というのが必要になるのですが、「お金に換える事が出来る財産があるか無いか」で、その手続きに関する費用も大分変わってきます。

※お金に換算出来る財産がある場合、「少額管財事件もしくは管財事件」となり、手続きをするのに20万~位が必要になりますが、返済出来るお金が全くない、手続きの為に払うお金も全くない!という場合は「同時廃止事件」に認定され、手続きで支払うお金も1万~1万5千円程度で済みます。

同時廃止事件の目安としては、裁判所によっても基準は違いますが、「今現在ある財産が20万円以上あるか」「予納金を支払うお金があるか」がポイントになるので、どちらにも当てはまらない場合は同時廃止事件になります。
⇒ご自身が同時廃止事件を希望していたとしても、調査の結果上記の目安に当てはまれば少額管財・管財事件として扱われます。ご自身で希望出来るものではないので注意して下さいね。

●少額管財・管財事件とは?
同時廃止事件の反対で、おおよそ20万円以上の財産がある方が該当します。お金に換算出来る財産を持っている方は同時廃止事件には基本なりません。

このパターンに該当する場合、手続きの為に支払う予納金が発生します。
少額管財事件でおよそ20万円程度、管財事件でおよそ50万円程度が目安です。これらの金額は裁判所によって異なります。

※少額管財・管財事件で予納金が多く必要な理由としては、同時廃止事件と違い「破産管財人」と言われる弁護士が選出される為です。報酬費用として予納金が必要になってくる訳なんですね。
この「破産管財人」があなたの財産の調査や管理、換金などを行い、最終的にカード会社(クレジットカード会社・消費者金融・銀行)へ分配してくれます。

★自己破産の手続きをするのに条件はあるの…?
任意整理や個人再生には手続きを行う際の条件がありましたが、自己破産の条件は「借入金額・収入に関わらず借金の返済がこれから先も不能と判断」された場合に手続きが可能です。

なので、年収が●●万円あるからダメ、借金の総額が○○万円あるからダメ、という決まりは特にありません。

自己破産に関してはあなたの生活・経済状況などに応じて、現在ある収入では払い切れないと判断されれば「支払い不能」となり、自己破産の手続きを行う事が出来ます。

ただし、「免責不許可事由」と言って、借金を作ってしまった理由によっては免責(借金の免除)がされにくい、もしくはされない場合もあります。

●免責不許可事由にあたる理由って何?
「免責不許可事由」にあたる理由は以下の内容になります。

。ギャンブルで作った借金
・換金行為(クレジットカードのキャッシング枠を厳禁に変える、またはクレジットで購入した商品をすぐに転売する)
・名義貸し(自分の名前で作ったカード類を他人に使わせる)
・株、先物取引

上記の内容で借金してしまった場合、通常の場合と比べると免責されにくいと言われていますが、絶対に免責されない、という訳ではありません。

自己破産を申し立てる際、借金を作った理由や「これから先絶対にギャンブルをしません。」等と言った真面目な姿勢が認められる場合、「裁量免責」と言って、「現在は真面目に考えているようだからチャンスをあげよう」という考えになり、免責がおりる場合もあります。

大切なのは、免責を決める面談などで
・借金の理由を隠す
・隠れてギャンブルなどを続けている
・破産後も隠れて借金をしようと考えている、または持っている財産を隠している
という場合、それがバレてしまうと免責されなくなってしまうので注意して下さい。

あくまでも、「今現在は借金に頼らず健康的な生活を送り、ギャンブル等からは確実に足を洗います。」といった真面目な姿勢が評価されるので、「反省している」という気持ちをしっかりと表現する事が大切です。

★自己破産のメリット・デメリットについて知っておこう
自己破産を行う事で生活に影響するデメリットがあるのか、任意整理や個人再生と違ってどんなメリットがあるのかまとめてみました。

●メリット
・借金が無くなる
⇒裁判所で手続きを行い、免責許可(借金の支払い免除)が決定されると、借金の返済が免除になるので、借金は0になります。任意整理や個人再生のように返済を行うという事はありません。
・財産がある場合でも、裁判所の基準に則った財産は手元に置く事が出来る
⇒自己破産の場合、20万円以上の財産を保持している場合は、その分を借金返済に充ててからの免責になるので、「返すお金が少しでもある場合は返してから」借金が0になります。
ただし、財産があっても裁判所では「99万円以下の現金や20万円以下の預貯金」は手元に残す事が出来ますし、洗濯機や冷蔵庫などの生活必需品も処分の対象外になっています。

●デメリット
・財産を処分し、一部返済に充てなければならない
⇒99万円以下の現金・20万円以下の預貯金、家電などの生活必需品を除いた「20万円以上の価値のある財産」は、売却してお金に換え、借金の返済に充てる事になっています。

例えば、車やバイク、持ち家や株、生命保険等の払い戻し金だけではなく、退職金がの8分の1が20万円以上になる場合は、財産とみなされます。

退職金の場合は前借というのができないので、その分をご自身で貯めておき、その分が貯まったら返済するというのが一般的な流れです。

・信用情報に自己破産の事実が掲載される
⇒おおよそ5~10年の間、信用情報に自己破産をした記録が載るので、新たな借り入れ等は出来なくなります。

・官報に載る
⇒個人の裁判内容などが掲載されている、国から発行している一般には出回らない情報誌のようなもので、一部の人のみ観覧しているものです。
官報に載ったからと言って、情報が周囲にバレる事はまずないと言えるでしょう。また、企業側が官報をチェックしていない限りその情報は洩れる事はありませんので、勤め先にバレてしまう可能性も低いと言えます。

・資格制限がかかる
⇒自己破産の手続き中は、人の財産にかかわる資格を持った仕事が出来なくなります。
(※弁護士、生命保険募集人、公認会計士、宅地宅建取引主任者、警備員など)
ただし、手続きが終われば再度仕事が出来るようになります。

・借金の理由によっては免責が出来ない可能性もある
⇒借金を作った理由がギャンブルや名義貸し、転売などが理由の場合、免責決定が下りにくいと言われていますが、真摯な態度で「現在は改善した」としっかり反省していれば、免責は絶対下りないという訳ではありません。

ただ、反省の色が無かったり改善する姿勢が無かったり、面接等にも欠席したり…という場合は「反省していない」とみなされるので、免責が下りない可能性が高くなります。

メリットとしては「免責が下りれば借金は0になる」という部分が大きいですね。
デメリットとしては、一部仕事に制限がかかるので、該当している仕事に就いている方は一定期間、資格を使用した仕事が出来なくなるので注意が必要です。

ブラックリストに載る期間はおよそ個人再生と同じ期間なので、実際はそこまで長い期間信用情報に掲載される訳ではありません。

個人再生・任意整理と比べると、デメリットはそこまで大差はないように感じますが、「財産を処分しなければならない」ので、持ち家も処分の対象になり、マイホームを手放さなければなりません。

もしマイホームを手放したくない!という場合は、住宅ローン特則が適応される個人再生などを検討される方が多いです。

★自己破産では持ち家を手放さなければならない…どうしても手放したくない場合は?
自己破産の場合、賃貸に住んでいる場合はそのまま住む事が出来ますが、持ち家の場合は処分して借金返済の一部に充てなければなりません。

「どうしてもマイホームだけは手放したくない!」という方は、住宅ローン特則が適応となる個人再生を選択する、という手段もあります。

●住宅ローン特則って何?
住宅ローン特則が認められているのは「個人再生」という方法になります。

「借金も減らしたい!でもマイホームは手放したくない…」

という方は、自己破産よりも個人再生が適している可能性があります。

住宅ローン特則とは、「持ち家を守りながら借金を減らして生活基盤を整える」という制度なんです。認められた場合には以下のような特徴が見られます。

・住宅ローンそのものは減額なし
・ローン返済の延長が可能
・保証人にも適応可能なので、保証人の残金返済義務が発生しない

住宅ローンの返済を含めた返済計画を裁判所に提出し、それが認められれば晴れて持ち家を手放さずに借金を減額出来るという事になります。

★自己破産って何?のまとめ
自己破産は、最終的に「借金が0円になり、返済が免除される」手続きになります。

まだまだ敬遠しがちな制度ですが、保有している財産が20万円以下であり、手放す財産(車や持ち家)などが無い場合や、借金額が大きく返済の目途が全く立たない状態の場合などは、自己破産が勧められる場合もあります。

・自己破産をする事で借金は0円になるが、一部財産は手放さなくてはならない
⇒最終的には支払いは免除になるが、20万円以上の財産がある場合は借金の返済に充ててから、返しきれなかった残りの借金の返済が免除になります。
・自己破産に年収や借金総額の条件などはない
⇒年収が●万以上ある人はダメ、借金総額●万円以上、または●万円以下の場合はダメ、といった制限はありません。
「収入はあるが、生活状況などを審査して、この状況だと借金の返済の目途が全く立たない(返済不能)」だと認められれば、自己破産の手続きを進める事が出来ます。
・住宅ローンがある場合は処分する財産になるので、持ち家を手放したくない場合は個人再生がベスト!
⇒自己破産では、財産を処分しなければならないので、持ち家の場合は自宅を売却して返済に充てなければなりません。
持ち家や車は手放したくないという場合は、財産を手放す必要がなく住宅をそのまま維持する事が出来る住宅ローン特則が適応となる「個人再生」が向いている場合もあります。
・任意整理、個人再生、自己破産共に信用情報に掲載されます
⇒任意整理は最長5年、個人再生と自己破産は5~10年の間は信用情報にその事実が掲載されるので、その期間は新たな借り入れやクレジットカードを作る事は出来なくなります。

もしあなたが、手放す財産がない場合で借金の完済の目途が全く立たない状況だと、自己破産の手続きを行う事で借金の返済が免除されるので、任意整理や個人再生よりも生活が楽になる可能性が非常に高いです。

あなたの生活状況や借金の総額、毎月の収入額などに応じてどの方法が適しているかは異なってきますので、債務整理を考えている方はどの方法が自分にとって一番良い方法なのか、まずは情報を収集してじっくりと考えてみましょう。

どうしても分からない事がある場合は、弁護士や司法書士に相談するのも、あなたの借金問題を1秒でも早く解決する為の近道になりますよ。